着荷日が、読めない
この納品に至るまでの道のりは、決して平坦ではなかった。
交渉、工場選び、注文と多品種少量の機材手配に、1日たりとも安堵したことはなかった。そして中国側で絶大に信頼していたスタッフのチェンジ。
私自身が25年以上中国で仕事をしてきた経験から、毎日何かしらのトラブルがあることは覚悟していたし、それを回避するために先の先を読んだやりとりも積極的にこなしてきた。しかし中国での離職はいつも急にやってくる。昨日まで何事もなく話していたのに、「明日退職します」と今日知る。どんなに深い関係性を築いても不可避だった。
新しいスタッフと仕切り直しをして、一品一品確実に日本に送るための手配を進め、コンテナに積まれ、出荷されて、ホッと一息。この期間だけはどう足掻こうとも何もできない。
およそ3週間後、ラバーマットやウェイトたちが国内倉庫に運び込まれた。

問題は、トラックの着荷日が直前まで読めないことだった。
受け入れ側のオーナー様は、スタッフのほか、ご友人やSNSで集めていただいたボランティアの方々をスタンバイさせてくださっていた。それだけの人を待たせながら、日程が決まらない。何度もギリギリのやりとりを重ね、ようやくトラックが納品日の午前中に到着する手配が整った。
始発で千葉を出た
納品当日、私は始発4:49で千葉の最寄駅を出た。
倉庫で商品が全て揃っているか自分で確認していたし、輸送を任せればいい話だった。私が行く必要は、正直なかった。
でも、いてもたってもいられなかった。
初めてのお客様への、初めての納品。体が勝手に新幹線に乗っていた。この行動がのちに、BtoBの洗礼になるとは思わずに。
オープンに向けて準備が進むジムへ、ラバーマット、ウェイトプレート、ケトルベルを運び込む。それが初回納品のミッションだった。

75枚のラバーマット、エレベーターなし、3階
フォークリフトはない。ラバーマット 1枚1枚をトラックから手で下ろす。ウェイトプレートやケトルベルも手で下ろす。トラックを見送ってから、今度は1階から3階へ、階段で運び上げていく。
ラバーマットは1M×1M×厚さ2cm、1枚17kg。それが75枚。エレベーターはない。
HYROXに勝るとも劣らない早朝トレーニングだった。
フロアに積み上がっていくラバーマット。プレートやケトルベルを並べ、梱包を一つひとつ解いていく。何枚ものプレートを確認し、いよいよ最後のケトルベルへ。小さい重量から順番に開けていく。

そして最後の32kgケトルベルを持ち上げようとしたとき。
「ん?」
箱を開けた途端、鉄の塊がゴロンと落ちた
違和感を覚えて箱を開けた途端、何かの鉄の塊がゴロンと落ちてきた。
ケトルベルの取手の部分が、二つに破損していた。
取手の根本には、梱包のビニールが破損した断面に固着していた。誰がどう見ても、ここで破損したのではない。倉庫の積荷?輸送中?いや、おそらく中国工場の保管時点での問題だろう。
私はこの瞬間、初めて経営者としての責任を問われる場面に遭遇した。

正直に伝え、補充品を手配した
オーナー様に正直に伝えた。すぐに工場側へ補充品の手配を依頼した。
しかし補充品が届くまでには1ヶ月半以上かかる。ジムのオープンに間に合うわけがない。取り返しのつかない状況だった。
全てを飲み込み、謝罪をした。補充品については別途やりとりすることで、その日は撤収した。
もし私が現場にいなかったら
帰り道、ひとつのことを考え続けた。
もし私が現場に立ち会っていなかったら、私はオーナー様を疑っていただろう。ストレートに否定はせずとも、「本当に開封したら壊れていたのか?」という疑念を抱いたまま、それ以降のお付き合いになっていたかもしれない。
現場にいたから、わかった。これは製造・保管の問題だ。疑う余地がない。
今回の件で、立ち会うことの意味を改めて知った。
中国製品の懸念は、品質だけではない
「中国製品でも実利が得られれば、公式機材である必要はない」と言い続けてきた。
だが中国製品への懸念は、品質だけではない。不具合やハプニングが発生したときに、サポートが得られるのかどうか。そこが本当の課題だ。
中国製品であろうが公式機材であろうが、いつかは壊れる。そのとき買い手の気持ちは「やっぱり中国製だな」になるかもしれない。
正直に言えば、「壊れたら交換すればいい」という安直な考えには私自身も納得していない。日本人なら原因を究明して修理するか、相応の対応へ導く。
FRNZ-Fitnessは、中国製だけど、買い手が困らないサポートをすることをポリシーとしています。
FRNZ-Fitnessでは、稲毛のショールームで実際に機材を体験していただけます。
鍛錬は本物。投資は1/3。
確信は、触れた瞬間に生まれる。
FRNZ-Fitness(フレンズ): Functional Rise & Nurture Zone
代表 田口 求弓|千葉県千葉市稲毛区


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