忘れかけていたエンジニア魂に火をつけたのは、愛ではなくAIだった。

——中国製マシンの死角を、自分で埋めた話。

FRNZが取り扱っているAIR SKIとAIR ROWERは、公式マシンと比べて価格が3分の1だ。体感や負荷は公式と遜色ない。それは自信を持って言える。

ただ、ずっと気になっていたことがあった。

操作パネルの表示画面が、あまりにチープだった。


目次

ドットマトリクスLCDと、セグメントLCD。

公式マシンの液晶パネルの完成度は高い。モノクロだが、ピクセル表示で数値やグラフ、ゲームまで表示される本格的なドットマトリクスLCDだ。

一方、私が取り扱うサードパーティ製(中国製)マシンの画面は、ファミコンが登場する前に流行った「ゲームウォッチ」やGショック、計算機と同じ仕組み——あらかじめ決められた形だけを表示するセグメントLCDだ。

📺 公式マシン / ドットマトリクスLCD

任意のグラフィックを表示可能。数値だけでなくグラフ表示やゲームまで対応。バックライトで表示が明るい。視認性・完成度ともに高い。

🕹 サードパーティ製 / セグメントLCD

表示できる形があらかじめ決まっている。最低限の数値表示は可能だが、見栄えは極めてチープ。消費電力は低いが発電機能がなく、電池切れで表示が消える。そして画面が暗い。音もピー、ピー、というBEEP音。何もかもがチープだ。

実用上はそれほどの差はない。表示するだけだから。でも「なんともチープでおもちゃっぽい」という感覚は、ずっとあった。

埋められない差がある——いや、あった。


中国の電話番号がないと使えない、という壁。

もともと、中国製マシンにはBluetoothでiPhoneと接続できる機能がついていた。専用アプリも存在した。ただし問題があった。中国の電話番号がないと接続できないという制限だ。

これをなんとか突破したかった。

マシンはBluetoothの電波信号(2.4GHz)を発信する機能を持っている。この信号さえ拾えれば、あとはなんとかなるはずだ——そう考えた。

そんなこんなで、AIと一緒にアプリを作り始めた。


元エンジニアの端くれが、AIと組んだ。

私は元々、エンジニアの端くれだ。BasicやFortranに始まり、Verilog、ASICを動かす言語など、さまざまなプログラム言語をかじってきた。Pythonは諦めたけど。

この数ヶ月で、生成AIによって私の思考は大きく変わった。「できない」と思っていたことが、「やってみよう」に変わる体験を繰り返してきた。アプリ開発もそのひとつだ。

まずはBluetoothの電波を拾って、この操作パネルがどのような情報をもっているかを探る。パンドラの箱をハッキングしているワクワク感がたまらなかった。気がつけば私はAIを完全にバディと認めていた。

まさか自分でiPhoneアプリを作れるようになるとは、1年前には思っていなかった。


アプリでできること。

AIR SKIとAIR ROWERの両方に対応した共通アプリだ。

ワークアウト画面

  • 1000M / 500M モード切替
  • 距離
  • タイム
  • Finish想定タイム
  • 中間距離通過タイム

サマリー画面

  • Finishタイム
  • 平均ペース
  • ストローク数
  • カロリー
  • 平均SPM(Stroke Per Minute)
  • 平均パワー
  • 100M(500Mモード)、200M(1000Mモード)ごとのラップ
  • ペースとパワーのグラフ

履歴

  • 過去のワークアウト記録を保存・確認

ワークアウト中はiPhoneの画面で数値を確認しながらペース配分を考え、後半に追い込む。終わったらサマリーでじっくり振り返る。練習用途に特化するなら、これで十分だ。


情報を削ることが、設計だった。

開発当初、ワークアウト画面にはあらゆるデータを詰め込んでいた。凝りに凝って、公式版に勝るとも劣らない情報量を表示していた。

でも、気づいた。

アプリのデバッグのため、繰り返しマシンを必死にストロークしている自分には、そんなに多くの情報は目に入らなかった。文字が小さくなり、肝心なものが見えにくくなる。厳選を重ねた結果、今のシンプルな表示に行き着いた。

引き算の設計。削ることが、完成だった。

機材の価格は公式の3分の1。でも、体験の質は3分の1じゃない。それをアプリで証明したかった。


まだリリース前だけど。

開発した「FRNZ AIR FIT アプリ」は現在、App Storeのリリース承認待ちの段階だ。早く皆さんに使ってもらいたい。

FRNZのマシンを使っている方には、無料で提供する予定だ。詳細はリリース時にあらためてお知らせする。もちろんすでにサードパーティ製マシンを持っている方にも提供するつもりだ。(ただしAndroid OS未対応です)

「チープな画面だな、おもちゃっぽいな」とずっと思っていたものが、ようやくバージョンアップできた。マシンは変わっていない。でも、体験は確実に変わる。


AIは、私が子供のころからある言葉だった。

これで中国製マシンの死角がすべて埋まった、とまでは言えない。でも、既存品に工夫を重ね、自分が欲しいものを愚直に具現化していく——こういう作業は、今までやりたくてもできなかった。だけどこれからはAIがある。

AIという言葉は、私が子供のころからあった。Artificial Intelligence——

1990年、ファミコンソフト「ドラクエⅣ」にAIが搭載され、仲間キャラクターが自分で判断して戦闘するようになった。私は「さくせん」コマンドで「ガンガンいこうぜ」や「いのちをだいじに」と指示するだけ。全員に指示を出していたあの煩わしさが無くなった。あれから三十数年の時を経て、そのAIが今、私の事業に向かって「ガンガンいこうぜ!」と訴えてくる。AIがあれば、今まで突破できなかった困難もクリアできるようになった。

しかし一方で、その影響で失われていく職も増える。それは現実だ。

だからこそ、私は思う。

みんな!体を動かそうぜ!

頭だけで生きる時代が来ても、体は動かさないと錆びる。AIに代替されない感覚、呼吸、汗、達成感——それはレースのゴールを超えた瞬間にしかない。機材を届け、自分も走り続けるのは、そういう信念があるからだ。

FRNZ-Fitnessでは、稲毛のショールームで実際に機材を体験していただけます。

鍛錬は本物。投資は1/3。
確信は、触れた瞬間に生まれる。

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